講評

学年題俳句1000詠講評 008 色情 高校3年生

高校3年生の題は基本的に難しいが、この題は特にそうだろう。ただでさえ少女性の薄れた高校3年生だというのに、しかも色情をテーマに句を捻らなければならない。18歳の女の色情は、もはやリアルすぎて嫌悪感さえ生じかねない。しかしその一方で、近ごろ「n…

学年題俳句1000詠講評 007 火遊び 高校2年生

火遊びと高校2年生の結びつきは分かりやすいと思う。高校1年生を少女期のピークにして終焉と考えた時、それより前に行なわれるのは火遊びではなく恋である。それが良質のものか悪質のものかは別として、とりあえず彼女ら少女たちは胸をいっぱいにして恋を…

学年題俳句1000詠講評 006 疼き 中学3年生

003「高鳴」(高校1年生)について、私は「精神と肉体の混在」、「経験がなく感情は未だに淡くも、物質的な衝動が否定できなくもある年頃」と表現をした。今回の「疼き」はそれよりも直接的な性を連想させる言葉だが、それなのに学年はひとつ下って中学3年…

学年題俳句1000詠講評 005 委員長 高校2年生

委員長がどうして学年題で、そしてなぜ高校2年生なのか。ご存知の通りこれは学年題俳句の世界において長年の謎とされ数多の議論を生み出してきたわけだが、私が思うことに高校2年生とは学年題で扱う6年間において最も「乱れる時期」であり、よってその乱…

学年題俳句1000詠講評 004 センパイ 中学2年生

学年題俳句1000詠の100題の中には「せんぱい」がふたつある。ひとつはこの「004 センパイ 中学2年生」であり、もうひとつは「078 先輩 高校1年生」である。なのでこのふたつは、その表記と学年の違いを意識して句作しなければいけない。句作が78題目のそれ…

学年題俳句1000詠講評 003 高鳴 高校1年生

高鳴りがなぜ高校1年生かと言えば、精神と肉体の混在、それがまさに高1であり、高鳴りであるからだろう。「恋焦がれ」(035)は中学2年生だし、「色情」(008)は高校3年生である。ちょうどその中間。経験がなく感情は未だに淡くも、物質的な衝動が否定…

学年題俳句1000詠講評 002 小論文 高校3年生

まず紹介したいのがこの一首だ。 小論文核の平和と陰核と (TEEN×TEEN×SEVENTEEN purope★papiroさん) 核兵器と女の子の核を掛けている。「核の平和」とは、敵国同士がお互いに核兵器を持つことにより成立する危うい平和のことか。なるほど言われてみれば陰…

学年題俳句1000詠講評 001 ブラジャー 中学1年生

つい先日「学年題俳句1000詠」というおもしろい企画をやっているサイトを発見したので、僕はあえて正規の参加者としてではなく(もっとも衝動を抑えられなくなったら後日ひっそりと参加するかもしれない)、そのサイトに投稿された俳句の講評をここに書くと…