一題十句 「結婚(高1)」
結婚すをとめはうまく桃剥けず
結婚す出席番号11番
結婚し美化委員長フェラチオす
補習授業落ちこぼれらの結婚式
結婚す相手は校則改革派
買い食いすをとめの結婚かき氷
親友へ結婚打ち明けチャイム鳴り
制服の磨耗はげしく結婚なり
結婚が床に散らばる恥毛かな
枕抱きをとめ結婚ゆめの中
16歳と言えば結婚だろうということで、新しく高1の学年題に加えてみた次第である。
しかしこれには微妙な問題もあり、すなわち「16歳」という意味もある「破瓜」を、僕は高3の学年題としているということである。これは「破瓜」=「処女喪失」として言葉の意味を受け取り、また僕の中では「処女喪失」=「脱・少女」であるからして、少女期の終焉である高3に配置するほかなくやった処置なわけであるが、そこで問題になるのが上の「結婚」という学年題と「破瓜」の関係性である。「結婚」=「破瓜(処女喪失)」、この式もまたやはり成り立ってしまうと思う。だとしたらその場合、体育の授業の疲れもなんのそので寝屋の睦言にパワフルに興じる、若さ溢れん16歳セーラー服新妻は、果たして少女なのか否かという疑問が湧いてくる。
これは非常に難しい問題である。そんなことを思いつつ上記の句たちは作った。
まあ夢オチもひとつの方法なんじゃないかと思う。長いものを読まされて夢オチだと堪らないが、俳句ならば許されるんじゃないかという気がする。