学年題俳句

  
 ブラジャーのホック外してパパHELP   (ブラジャー・中1)
 キャンディを舐めるみたいにしゃべる君   (キャンディ・中2)
 ポロシャツは成功? 失敗? 初デート   (ポロシャツ・中3)
 
 どうもうまくいかないな。女の子と文語という組み合わせにどうも違和感があって、口語に逃げてしまう。でもきっと文語のほうがいいのだと思う。逆に。
 中1の学年題に「パパと一緒にお風呂に入るのをやめる」というのがあるが、要するにそれは裏返すと、中1ってある時期まではパパと一緒にお風呂に入っているということになる。僕の制定した学年題俳句の世界ではそういう決まりになっている。そしてブラジャーもまた中1の学年題なのであれば、ブラジャーは着け始めたもののまだパパと一緒にお風呂に入っている、という状況も考えうるだろう。そんな女の子だっていないとは言い切れない。ひとつめの句はそんなことを考えながら作った。パパの視点から見れば「稚拙なりブラのホックへ娘の手」とも作れる。
 それにしても「ホック」という単語はブラジャー関連でしか登場しないと思う。だったら「ホック」とだけ言って学年題としてのブラジャーを表すとしてもいいかもしれない。17文字という制限の中で考えたとき、「ホック」だけでよいか「ブラのホック」と言わなければいけないかは重要である。