1月の有季定型俳句 「KUCHIBASHI DIARY」より

 
 01日 元日のをとめが舐める足の裏  (元日:新年)
 02日 門松の中へ忍ばしショーツ哉  (門松:新年)
 03日 ふくらみし乳房にも似て鏡餅  (鏡餅:新年)
 04日 書初めをここにくれろと泣く娘  (書初め:新年)
 05日 初詣コートの下は裸なり  (初詣:新年)
 06日 今年より破魔矢で赤らむ姪の頬  (破魔矢:新年)
 07日 精液の海で寒泳する如し (寒泳:新年)
 08日 恋乙女そっと見下ろし冬の空  (冬の空:冬)
 09日 ずたずたのプリーツスカート鎌鼬  (鎌鼬:冬)
 10日 ストーブの脇でぶっかけられし哉  (ストーブ:冬)
 11日 湯冷めしてやがてぬくまる肉体ぞ  (湯冷め:冬)
 12日 別名は海のミルクの牡蠣啜れ  (牡蠣:冬)
 13日 をとめごの着ぶくれしない下半身  (着ぶくれ:冬)
 14日 雪遊び興奮しすぎてトッロトロ  (雪遊び:冬)
 15日 石炭のような娘に恋をする  (石炭:冬)
 16日 絨毯のここにあの子の尻が過去  (絨毯:冬)
 17日 わかったよこれが本当の玉子酒  (玉子酒:冬)
 18日 オーガズムはじめて至る雪女  (雪女:冬)
 19日 春を待つをとめ手淫の祈り哉  (春を待つ:冬)
 20日 粉雪やをとめパンチラ転入生  (粉雪:冬)
 21日 をとめごが炬燵でグニュッとパカッとす  (炬燵:冬)
 22日 春支度チアリーダーの目にも涙  (春支度:冬)
 23日 空っ風 逆に湿らすこともあろ  (空っ風:冬)
 24日 ショーツ脱いで姪は枯野をかけ廻る  (枯野:冬)
 25日 外さない手袋だけを外さない  (手袋:冬)
 26日 冬うららゲロを吐いてはルルララル  (冬うらら:冬)
 27日 雑炊とゼリーを食べて寝ましたよ  (雑炊:冬)
 28日 湯豆腐と区別のつかぬ女体哉  (湯豆腐:冬)
 29日 煮凝りと思へば女体 女体也  (煮凝り:冬)
 30日 冬座敷なんだか気持ちが浮遊する  (冬座敷:冬)
 31日 牡蠣剥けば剥けず腐らす時期もある  (牡蠣を剥く:冬)