読了

 
 「古典落語 艶ばなし」 井上ひさし編 講談社
 
 落語のシナリオ本。艶ばなし。もちろんおもしろく読む。
 落語について噺という呼び方もあり、実際のプロたちは落語家と呼ばれるよりも噺家と呼ばれるほうが嬉しい、ということを聞くけれども、それももっともだと思う。なぜならこの芸において「落ち」はそれほど重要ではないと思うからだ。それよりやっているときの雰囲気が大事なわけである。なのでそれは落語ではなく噺であろう。
 むしろそれより「落ち」を重要視される創作形式とは、実はミステリなのではないかと思う。