老師って誰よ

 
 老師に指摘されハッとした。
 近ごろの僕はどうも女の子のショーツというものを軽視しすぎていたのではないか。
 なにしろ18歳を遠い昔のものとし、素っ裸の女の子というものを容易に見ることができるようになってしまった(もちろん2次元の話)。吾輩がエロを目的に眺める女の子はショーツを穿いていなくて当然、というくらいのスタンスで暮らしていた。街とかで眺める現実の女の子にしても、それは往々にして頭の中で裸に変換されて映った。
 でも中学や高校の時代を思い出すに、その当時に頭の中にいた少女たちというのは、そうそう簡単にショーツを脱ぐということはしなかったはずなのである。彼女らはショーツを穿いているのが当然で、ショーツが剥がれそうになったらそれこそ大慌てで、そしてショーツの下が具体的にどうなっているのかなんていうのは、実際よく分かっていなかった。よく分からないなりに、ただただ「その下はえらいことだ」ということだけは理解していて、登場人物の女の子のショーツへ、女の子当人にせよエロい意志を持った何者かにせよ手が掛けられようものなら、それだけでドキドキしていたはずなのである(でも大抵はジャマが入ってショーツは取られない。ショーツは鉄の鎧よりも強固なんである)。
 そしてあまりにも気軽に女の子を素っ裸で捉える現在の僕は、そのときのドキドキを忘れてしまっているのではないだろうか。老師の言う通りだ。反省した。
 なので今後これから1ヶ月ほど、僕は女の子の下着を剥がないことにしようと思う。乳首の歌とかクリトリスの句とか作らない。全年齢向けの、少年誌的な性的ドキドキを表現していきたいと思った。そうですよね、老師。