読了

 
 「相撲部屋24時 おかみさん奮戦記」 中澤嗣子 講談社+α新書
 著者は中村部屋というところのおかみさんだそうだ。前半が相撲の仕組みや歴史について、後半が力士養成の在り方について書かれている。そう言えば勢いで疑問も持たずに読んだが、「力士養成の在り方」って、非常にマニアックで不必要な知識だな。まあ素人としては「覗き見・相撲部屋」という感じで受け止めればいいのか。
 また大相撲とは異なるスポーツとしての相撲について軽く触れられていて、「オリンピック種目を目指す」などと言っていておもしろいと思った。もしもそれが実現したとしたら、もちろんはじめは野球とおなじくアマチュアだろう。しかしそのうち相撲も、「やっぱりプロで」みたいな感じになっていくのだと思う。だけど朝青龍琴欧州が強いうちは、日本の財団法人である大相撲協会が、力士のオリンピック出場を認めることは絶対にないだろうな、認めるのは朝青龍とかが引退してからだろうな、などと思った。
 個人的にはふだん大相撲だけを観ている限り、外国人であるとかは別に気にならなく、一緒くたに「力士」として捉えているのだが、オリンピック種目として考えた場合、だいぶその印象が変わってくる。対戦国の選手になるわけだから。アテネオリンピックにおける阪神のウィリアムスみたいな感じだ。
 だったらいっそのこと、オリンピックでは同部屋で対戦して欲しいと思う。そのほうが劇的だ。兄弟がごとき同部屋の力士が、それぞれの国を背負って闘うのだ。ドラマチック。たとえば琴欧州ブルガリア)には琴光喜朝青龍(モンゴル)には闘牙という風に。うん、後者の取り組みは十中八九負ける。