ハッピーバースデイ

 
 誕生日だ。22歳である。22歳か。
 大学生の長大な夏休みももうさすがにそろそろおしまいで、誕生日はいつも年齢がひとつ上がるとともに、夏が過ぎ去ったことを実感する。切ない。
 こうも同時だと、「年齢も上がったし、夏も終わったし、そろそろ気合を入れて……」みたいな、分かりやすい切り替えポイントの指標みたいになってよくないと思う。なにものかの魂胆を感じずにはいられない。
 そういう押し付けは大嫌いだ。自由に生きていたいのだ。
 なので夏が終わったことも22歳になったことも、しばらく実感せず、むしろ否定していきたいと思う。と言うよりも冷静になって考えてみたら僕が22歳なんていう年になるはずがないので、20歳以降はまた年を降っていくのだと思う。そう考えたほうが自然だ。だとしたら今日から僕は18歳だ。さすがに18歳だし、じゃあもうSEVENTEENを購読するのはやめようと思う。