読了

 
 「日本のユーモアⅠ 詩歌篇」 織田正吉 筑摩書房
 もういま僕のやりたいこと、ど真ん中のテーマで書かれた本だった。
 万葉集の時代からの、文字遊びや早口言葉、三題噺にダジャレ、いろは歌、エロ、俳句、川柳、狂歌、そして狂詩といった、そういう「正統派じゃない」感じの詩が網羅されて紹介されていた。なので大いに楽しめたことは言うまでもない。
 そのうちで特に気になった手法は、「物名」と「折句」と「回文」である。これらはそのうち『春風学園(仮)』のなかでやっていきたい。
 それにしてもこういう阿呆な技巧を凝らした詩を眺めていると、なんだか気持ちがほっこりしてくる。平安時代の帝とか、くっだらない言葉遊びを軽薄な七五調に乗せて楽しげに生きている感じで、実にいいと思った。