春風学園(仮) 第三回

 
 校長が呼ぶ担任が呼ぶ お目付役とぞ委員長 (都)
 眼鏡から発する視線の鋭さに 乙女のわれを忌々しきこと (短)
 眼鏡から発する視線の鋭さに 首までの髪が隠さぬ撫で肩 (短)
 眼鏡から発する視線の鋭さに セーラー服のリボン水色 (短)
 眼鏡から発する視線の鋭さに チェックとプリーツの法則見出す (短)
 眼鏡から発する視線の鋭さに 絶対的なりニーソックスをば (短)
 眼鏡から発する視線の鋭さに 逆に裸に見えてきこそす (短)
 校舎と寮を二人でまわれ 担任はまだの二次性徴 (都)
 指や冷たき女の子
 我ぞ手を持ち廊下へと
 匂いはミルクよりライム
 真似しさえ得ず褪せぬ今日 (い)
 窓外の先走りたる夏の雲 (俳)