報告までに

 
 引越しとかをしていた。
 これまで横浜市に住んでいたものを、大学から3駅ほどのところに移った。電車にして1時間半ほどの距離か。なぜか卒業してから後に抜群の通学環境になっている。
 それでどういう暮らしをしているかと言うと、ぱぴこさんと同じ建物の同じ階数の別の号室に、それぞれ住んでいる。あまり聞かない状況であると思う。同棲でもなければ半同棲でもなく、個人的には5分の4同棲と呼んでいる。つまりはそんな感じだ。なので引越しに際して家電製品を買い揃える必要もほとんどなく、僕の部屋には電子レンジも洗濯機もない。非常にすっきりしている。そんな感じの中で暮らしている。
 パソコンはもちろん持ってきているが、ネットにはつなげていない。去年の夏にパソコンを購入し、無線LANにより自室でネットができるようになっていたわけだが、ふたたびネット環境からは分離された。これによりパソコンが非常に安全になった。ウィニーってなんですか。ファイヤーウォールってなんですか。なにしろ幸いなことに5分の4同居人が中度のインターネット依存症であり、引っ越す前の住まいから新しい回線を申し込んで接続キットを準備し、「ネット環境が途切れるのは最大で1日だけ。それ以上は耐えられない」ということで速やかにネット開通させたので、当分はそれを利用させてもらおうかなと思っている。頼りっぱなしだ。
 ところで部屋は基本的にひとり暮らし用のものなのだが、台所の調理台がよくある一口の電熱の使いにくいあれではなく、ガステーブルを設置する方式のため、とてもよい。すなわちコンロは二口分あり、火を使うので調理がしやすく、なにより魚焼きグリルが嬉しい。さらに言えば台所そのものが広い。ぱぴこさんの過去の2ヶ所のひとり暮らし住まいと比較して、はるかに恵まれたキッチン環境だと言えるだろう。とは言うものの、実は僕の部屋にはガステーブルはなかったりする。あるのはぱぴこさん宅だけである。いやはや依存している。
 それと新生活で改めたこととして、自室でのネット環境を閉じたのを契機に、実はこれまでわりとサボり気味であった手書きの日記を再開させることにした。B7サイズの情報カードというものに分量にして1枚300字ほどで、それを1日に何枚か書くというスタイルの、中学の終わりごろから続くそれである。これまでに書いた数千枚はあまりの容積と重さからこちらには持ってきておらず、こちらに来てから仕切り直しで1枚目とするということにした。「横浜編」「東京編」あるいは「学生編」「社会人編」だろうか。久し振りに手書きで文章をじっくり書いてみたら、なんだかなんとも言えない不思議な感覚があって刺激的だった。続けていこうと思う。カード日記の良いところは、書けば書くほど容積を増していく点である。
 それと容積を増すといえば、折り鶴はもちろんこれまでに折ってきた約1400羽すべてこちらに持ってきている。容器として使っている段ボールに、相変わらずぎっしりと積み重なっている。しあわせな光景だ。ぱぴこさんがときどきそれに手を突っ込んで遊んだりするのだが、遊び終わったあと箱から何羽か飛び出していることがあるので困る。それと使用する折り紙を、これまでの某100円ショップのものから無印良品のものへと変更したところ、折り紙の発色の良さに驚いた。値段は同じなのだが、さすがの色合いである。前者の100円ショップのものは折りながら、「俺だから別にいいけど、子どものころこんな100均の冴えない色の折り紙なんかで遊んでたらさぞ哀しかっただろうな」などと思っていた。自分の子どもに折り紙をやらせるときは、絶対に無印のものを使わせようと思う。ただしこれのひとつ困る点として、あまりにも品が良すぎるためか紙がやや厚く、折るのにこれまでよりもいくらか力が必要になるということがある。この色でもうちょっと紙が薄ければ最高なのだけど。
 えーと、家電製品とネット環境とガスコンロと手書き日記と折り鶴の話をしたな。うん。引越しの話は以上。