和漢朗詠集

 
 94番「わが背子に見せむと思ひし梅の花それとも見えず雪の降れれば」まで。
 背子というのは女から男のことを親しんでいう語だという。この歌の作者は山部赤人で男だが、女になりきって詠んでいるのだそうだ。梅の花とか雪を、なんでもいいがなんかしらのメタファーと受け取れば、この歌は一気に阿呆っぽくなると思った。よい。